2022年産ドラフトはまだ先で時間もたっぷりありますが、だからこそ今の時期に2022年産の注目種牡馬について考えていこうという主旨の記事です。
個人的に、ちょうど今くらいの季節に血統登録数などの情報収集をしてその世代(今回でいうと2022年産)の未来(主にクラシック戦線)がどうなるのかを想像するのが好きです。
別な言い方をしますと、具体的な募集馬リストなどが出てくるとそれに追われてしまってマクロ視点での考察ができなくなってしまうので、冬~春先の今ぐらいの時間あるときにマクロ視点で該当世代を取り巻く状況(主に種牡馬動向)を確認して頭のなかの整理をしておきたいという感じでもあります。(私がノーザンF系クラブ会員なので、主に社台スタリオンステーション(社台SS)種牡馬について書いていきます。)
それでは本題に進めていきましょう。
今回ターゲットとして考えるのは今年メイン募集になる2022年産です。
2022年産の種付け年(2021年)前後の振り返りを入口に、そのうえでマクロ視点から注目できる種牡馬をピックしていく順番で見ていきたいと思います。
【種付け年(2021年)前後の経済環境など】種付け前年である2020年は社会的に新型コロナ対策に追われた一年でした。そのようななか競馬サークルでは多少の東西移動制限はあったものの開催自体は継続することができた一年で、セレクトセールについても開催され、シーヴ2019が税抜き5.1億円となるなど「コロナ禍でも競馬界はなんとか継続できそう」と思えた年だったと思います。
2020年当時の現役競走馬では、コントレイルとデアリングタクトが三冠を達成。コントレイルはディープインパクトの最有力後継種牡馬の候補になり、デアリングタクトは足下での種牡馬エピファネイア時代を強烈に印象付けるものだったと思います。
そして2020年冬に社台SSの2021年種付け料が発表され、
エピファネイア・キズナ・ドゥラメンテが種付け料アップで1,000万円の大台に乗り、新種牡馬では
サートゥルナーリアや
アドマイヤマーズもラインナップに加わり、全体的に新時代突入を意識させるような内容となったと思います。また、これまでの牽引役だったハーツクライとダイワメジャーがプライベート設定となることも発表され、この点も新時代突入を後押しする材料になったと思います。
(2022年産 社台SS種付け料金上位)1,500万円 ロードカナロア
1,000万円 エピファネイア
1,000万円 キズナ
1,000万円 ドゥラメンテ
800万円 モーリス
(2022年産 社台SS新種牡馬)600万円 サートゥルナーリア
400万円 ナダル
350万円 シスキン
300万円 アドマイヤマーズ
150万円 ルヴァンスレーヴ
種付け料設定からの注目点は、(繰り返しになりますが)
エピファネイア・キズナ・ドゥラメンテの3頭が大台1,000万円の設定となったことだと思います。
社台SSでの「1,000万円トリオ」というのはこれまでに例がない設定だと思いまして、今後はこのトリオが中軸になっていくことを予感させる設定内容だと感じました。これまではディープインパクト・キングカメハメハの謂わば「ワンツー体制」だったと思いますが、今回の「同額トリオ体制」はリスク分散という側面と、同時に3頭並列でのブランディングを社台SSとしてチャレンジする意気込みも感じるものだと個人的に思いました。
(※ドゥラメンテは結果的に2021年8月に急死してしまいますが、種付け料発表時点ではそれはわからないことなので「1,000万円トリオ」という表現にしています。)
【2022年産 主要種牡馬の産駒数と注目種牡馬】ここからは主要種牡馬の2022年産産駒数も交えながら見ていきたいと思います。
なお、産駒数(血統登録数)はnetkeibaで検索しています。(数字については2023年3月時点でのものです。血統登録数はこの後(微細に)変化する可能性がありますので、2023年3月時点調査ということでご理解ください。)
まず確認したいのは、社台SS種牡馬の産駒数(血統登録数)100頭以上の種牡馬です。「100頭以上」と産駒数が多い種牡馬群ですし、2022年産のなかでも影響力大きい種牡馬たちです。
(社台SS種牡馬 2022年産血統登録数100頭以上の種牡馬)※括弧内は、左:牡セン、右:メスの内訳
149頭(69+80)新ルヴァンスレーヴ
149頭(69+80)エピファネイア
142頭(67+75)新サートゥルナーリア
135頭(66+69)キズナ
128頭(68+60)ブリックスアンドモルタル
121頭(58+63)リアルスティール
110頭(53+57)ロードカナロア
110頭(49+61)レイデオロ
109頭(57+52)イスラボニータ
血統登録数からの注目は、
エピファネイア&
サートゥルナーリアのシーザリオ系種牡馬だと考えています。シーザリオ系種牡馬はすでに成功していることから新種牡馬サートゥルナーリアへの期待も高いと思います。また、2頭については、質の高いディープインパクト牝馬を取り込むことができる優位性もあると思います。
キズナについては特にこの世代(2022年産)だからこそ注目したいと考えています。というのも、翌世代からはコントレイルが社台SSに入ってきており、ノースヒルズ産ディープインパクト系種牡馬が2頭体制になるためです。時系列で考えると、キズナ2022年産は重要世代になると思いますので注目したいです。
あとは種付け頭数&血統登録数でトップとなった
ルヴァンスレーヴも注目でしょう。受胎率が高いという話もあるようで生産者サイドからの支持が厚くなる可能性がある種牡馬だと思います。ダート三冠路線の整備もありニーズも高まっていると思いますし、ナダル・マインドユアビスケッツ・ドレフォン・ニューイヤーズデイなど米国産種牡馬相手にダート路線でどのような存在になっていくか楽しみです。
【他で注目したい種牡馬】他種牡馬のなかからは、
モーリス・アドマイヤマーズのシャトル種牡馬2頭に注目したいです。
国内の生産頭数規模も拡大しているとはいえ、海外需要を獲得できるインパクトは(種牡馬ビジネスとして)大きいものと推測しています。すでに豪州で一定以上のブランディングが成されているモーリスはもちろんですが、新種牡馬アドマイヤマーズについてもノーザンFがシャトル種牡馬成功に向けて強力バックアップすると思いますし、アドマイヤマーズ自身が豪州と親和性高い香港競馬で実績あることからも注目したいです。
社台SS以外の種馬場在厩種牡馬からは
フィエールマンに注目したいと思っています。
フィエールマン産駒はセレクトセール2022において、シャンブルドット2022(牡)が税抜21,000万円、サンタフェチーフ2022(メス)が税抜7,200万円で取引されており、産駒のマーケットでの評価はすでに一定以上であることも確認できていますが、ここでは他材料も提示したいと思います。
ノーザンFが生産頭数規模を拡大してきたことは知られていると思いますが、生産頭数規模拡大に伴って「社台SS以外のノーザンF系種牡馬」の重要度も今後は徐々に増す可能性があるのではないかと思っています。
2022年産の非社台SSノーザンF系種牡馬の筆頭がフィエールマンだと見ていまして、実際に「フィエールマン×ノーザンF」の2022年産は16頭を確認できます。16頭の規模感は非社台SS種牡馬としては大きいものだと思いますし、2022年産を確認すると、(セレクトセール上場馬以外にも)母コロナシオン・母トゥリフォー・母トレジャーステイトなど気になる産駒を確認できます。
非社台SSノーザンF系種牡馬をどのようにマネジメントしていくか、ブランディングしていくか、フィエールマンは今後に向けてもよい事例になると思っていまして動向に注目したいと思っています。
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今回はこのあたりで止めておきたいと思います(^^♪
他にチェックしている種牡馬もいますが、2022年産ドラフトへの入り口として全体像から注目していくなら上記種牡馬ということでよいかと思っています。
今後も不定期ですがドラフト関連記事をアップしていくと思います。このエントリを読んでくださるみなさまも2022年産での最良のドラフト、良いご縁があることを願っています!
※昨年版はこちらです。
【2021年産ドラフト】マクロ視点での注目種牡馬※過去のドラフト関連記事は下記フォルダにまとめています。
出資ドラフト以上です、今回も最後まで読んでくださりありがとうございます!
みなさまの愛馬の成績向上、次世代産駒での良縁、良い調教師(厩舎)とのご縁があることを願っています!
noteで【一口馬主向け】調教師(厩舎)分析もやっています!こちらもぜひ読んでみてください!
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それではまた~。
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