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【ドラフト対策】全体的にインフレしているので予算を増やすほうが良いかもという話(2023年版)

前回(前回と言っても2020年11月作成の記事ですが)、以下記事を作成しています。
【ドラフト対策】全体的にインフレしているので予算を増やすほうが良いかもという話

前回記事では、2012年産・2015年産・2018年産を元に、クラブ馬募集額の全体的なインフレ感を調査をしています。今回はさらに(同じ間隔を空けた)2021年産も加えて、世代を経てインフレしているのかどうかを調べてみる主旨です。

調べ方は単純でして、以下のように抽出してみました。
・一口馬主DBの全クラブ馬データベースを開き、世代別ページを開く。
・世代別ページを募集価格の高い順でソートをかける。
・募集価格の高い順で「100番目」「200番目」「300番目」といった区切り順位の募集価格を調べる。
(前回同様の抽出手法です。)

この手順で抽出した結果が以下です。
20230520‗インフレ時代02


【全体の印象】
上記表を見て個々で感じ取っていただくことがよいと思いますが、私なりに感じていることもここから書いていきたいと思います。

まず、「100番目」「200番目」「300番目」「中間の募集額」で並べてみると以下のとおりです。(左から2012年産→2015年産→2018年産→2021年産)

100番目の募集馬(3,400万円→4,000万円→5,000万円→5,000万円)
200番目の募集馬(2,400万円→2,800万円→3,400万円→4,000万円)
300番目の募集馬(1,800万円→2,200万円→2,600万円→3,200万円)
中間の募集額(1,800万円→2,000万円→2,000万円→2,600万円)

全体としてはインフレ基調にあるという見方になると思います。
※補足。この対象期間のなかで消費税率アップもされています。2012年産(消費税5%)→2021年産(消費税10%)といった税率アップがなされていますので、消費税率アップと同等のインフレは発生しても不思議ではないと思います。

消費税率アップという材料があるとはいえ、インフレしているのは事実だと思っていまして、このあたりの全体認識は最初の重要事項だと感じます。また、このインフレ感を今後のドラフト時の予算組に取り込んでいくことも大事だと思います。

仮に、「募集額≒募集時の評価」と解釈すれば、世代のなかで100番目クラスの募集馬を確保(出資)するためには、2012年産(3,400万円)→2021年産(5,000万円)といった具合で予算を増額する必要があるためです。
もちろん、各クラブによって募集口数も異なりますし、牡メスでも募集額は変わってきます。また、セール経由なのか否か、外国産馬であれば輸入諸経費などもあって個々の募集馬で抱えている事情は異なります。あくまでもざっくりとした目安ではありますが、2012年産と2021年産ではこれくらいの差が生じている認識を持っておきたいところです。

また、2020年11月記事にも書いているのですが、募集額に対する「高い安い」という感覚は、一口出資をスタートした時期が起点になっていると推測しています。実際、私自身、出資初年度世代である2010年産を起点に考えています。
この記事を読んでくださっているみなさまがいつから一口出資をスタートしたのかによって変わってくると思いますが、仮に2012年産からキャリアを開始したのであれば100番目の評価順の価格帯募集馬への出資を検討するならざっくり1.4~1.5倍程度の予算増額が必要ということになります。

あと、注目したいのが、2021年産においては300番目(3,200万円、2018年産比プラス600万円)、中間(2,600万円、2018年産比プラス600万円)と、どちらかというと非高額帯の価格帯ゾーンにおいてのインフレが顕著になっていると感じる部分です。
今回の調査において、100番目が、2018年産(5,000万円)→2021年産(5,000万円)で変化がなかったのとは対照的でして、このあたりの価格動向のトレンド変化も押さえたうえで今年のドラフト(2022年産)に臨んでいきたいと考えています。


【100番目の募集額】
続いて見ていきたいのが、高額帯ゾーンにあたる100番目の募集額です。
100番目は、2018年産(5,000万円)→2021年産(5,000万円)で、2018年産と2021年産では変化がありませんでした。
実は、前回(2020年11月)記事内で以下のように私は書き残しました。

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2012年産~2018年産の時期はディープインパクトの種付け料の高騰化時期とも重なります。種付け料の高騰に伴って産駒価格の上昇もあったと思いますので、その影響もあったと推測しています。来年にメインで募集される2020年産(ディープインパクト産駒が実質不在世代)でどうなっていくのかも見ていく必要もあると思います。
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未来へ向けて上記にように書き残していたのですが、結果は2018年産と2021年産では変化がありませんでした。2021年産は(2020年産と同じく)ディープインパクト産駒不在の世代となっていますので、やはり、ある程度は(2018年産までの高騰化の牽引役は)ディープインパクト種付け料だったことも推測できる結果になったと思います。
ただ、冷静に考えてみると、2018年産首位種牡馬(ディープインパクト)種付け料(3,000万円)と2021年産首位種牡馬(ロードカナロア)種付け料(2,000万円)の比較から高止まりしている印象もあったります。

いろいろ材料を集めてしまうと混乱してしまいますが、100番目は2018年産(5,000万円)→2021年産(5,000万円)で変化なかったことは事実で、高額帯ゾーンにおいてはほぼインフレは見られないという結論でよいのかなと思います。


【次世代以降(2022年産以降)の価格帯動向は?!】
未来へ向けてですが、特に非高額帯の価格帯ゾーンにおいて、さらにインフレしていく可能性が高いと私は予想しています。
そう予想する理由は種牡馬種付け料でして、例えば、社台スタリオンステーション(社台SS)種牡馬の種付け料最安価格の推移が以下となっています。

2021年産 社台SS最安種付け料(50万円)リーチザクラウン
2022年産 社台SS最安種付け料(80万円)レッドファルクス、ロゴタイプ
2023年産 社台SS最安種付け料(80万円)レッドファルクス、ロゴタイプ
2024年産 社台SS最安種付け料(150万円)イスラボニータ、サトノクラウン、サリオス

上記のように水準が切り上がってきています。
もちろん、対象種牡馬産駒の募集有無の差もクラブ毎にあると思いますが、少なくとも社台SS種牡馬の価格帯水準は切り上がっていて、私のような社台グループ系クラブ会員の場合は募集馬価格に反映されていくことと予想しています。

もう一点、ノーザンF系クラブにおいては、繁殖牝馬サイドからのインフレ圧力も予想しています。
詳細は以下記事を読んでいただきたいのですが、ノーザンFが繁殖牝馬の更新(入れ替え)を行っていて、現役時のパフォーマンス(=総賞金)が高かった牝馬を繁殖牝馬として残していると推測できるからです。
【ドラフト対策】繁殖牝馬の定量評価(JRA総賞金を活用)

あくまで私の予想ではありますが、特に非高額帯の価格帯ゾーンにおいて、今後のさらなるインフレ予想も考慮した出資戦略を考えていく必要性を感じています。
別な見方をすれば、以前の種牡馬ディープインパクトのように種付け料3,000万円級種牡馬が登場するまでは、高額帯ゾーンのインフレは今回確認できたように抑制されるかもしれません。

※次回の価格帯調査は同じ間隔を空けて2024年産で行うことになると思います。私の予想に近い未来になっているのか?それとも経済環境の激変などで予想外の未来になっているのか?どのような未来になっているのか楽しみです。(私自身がその時期まで一口馬主マーケットで生き残っていれば記事を作成できると思います。)


【インフレは悪いことばかりではない(と思うのです)】
「インフレ、インフレ」と連呼していると私たち買い手側としては難しい面があるのは事実なのですが、インフレは出資者側にとって悪いことばかりではないとも私は考えています。

と言いますのも、高値で販売できるのであれば生産者サイドもクラブへ売却することを積極的な選択肢として考えてくると思うからです。そうなれば、より良質な募集馬の増加も期待できると思います。
もちろん、インフレに乗じていろいろと乗せて募集してくるケースもあるかもしれません。そのあたりは出資者側がシビアに買う買わないをジャッジしていくことが大切だと思います。私たちのシビアなジャッジが一口馬主マーケットの健全性を維持するものだと思いますし。

あと、JRAの賞金水準が上昇していることも忘れてはいけないと思います。

2015年 東京優駿(1着20,000万円)、ダービー同日の3歳未勝利(1着500万円)←2012年産
2023年 東京優駿(1着30,000万円)、ダービー同日の3歳未勝利(1着550万円)←2020年産

上記のようにG1だけでなく、下級条件も賞金水準の増額を確認できます。賞金だけでなく各種手当類の増額もあります。
また今は、JRAだけでなく、海外レースも視野に入る時代です。2012年産世代当時にはなかったサウジアラビアの国際レースも今は普通に遠征できる時代です。
(賞金増額は馬券売上が増加していることが根拠だと思いますし、馬券売上増加への貢献もしていきたいものです。)

少し昔を振り返ると、20世紀の頃には「400口クラブ馬ではG1を勝つのは難しい(40口クラブ馬の方がG1を勝てる可能性が高い)」と聞くこともありました。クラブ馬と言っても、ごく一部のクラブ馬にしか活躍のチャンスがないように見えていた時代もありました。そんな時代を経て今は、アーモンドアイ(500口)、パンサラッサ(2,000口)、ラヴズオンリーユー(9,927口)の時代です。(口数は一口馬主DBの表記です。)
めちゃくちゃ良い時代になったと思います。

インフレ時代にはインフレ時代の戦い方もあるのだと思いますし、あらゆる方面に目を向けて、引き続き一口馬主マーケットで生き残っていけるようにやっていきたいと思います。重要なのは「知恵」だと考えています。知識・情報だけでなく知恵。知恵を持つことで脱落しないようにしたいです。


以上です、今回も最後まで読んでくださりありがとうございます!
みなさまの愛馬の成績向上、次世代産駒での良縁、良い調教師(厩舎)とのご縁があることを願っています!

noteで【一口馬主向け】調教師(厩舎)分析もやっています!こちらもぜひ読んでみてください!
手塚貴久厩舎2022-2023【一口馬主向け】調教師(厩舎)分析
大久保龍志厩舎2022-2023【一口馬主向け】調教師(厩舎)分析
蛯名正義厩舎2022-2023【一口馬主向け】調教師(厩舎)分析

Twitterアカウントはこちら https://twitter.com/wineotto

Life with Horses!
それではまた~。


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コメント

ノーザン系牝馬の入れ替え

いつも勉強させて頂いております。
今回も濃いテーマで、本当に知らないことが多く学ばせてもらいました。

私が気になったのは、ノーザン系牝馬の入れ替えのところ。
以前、繁殖牝馬のセールで、なぜビワハイジのラストクロップであるプリメラビスタが出されたのか?が、気になってました。
またそれをロードTCのケイアイファームが落札してその産駒がクラブ募集されていることに腑に落ちず疑問に思っていましたが、今回の投稿を読み納得しました。

Re: ノーザン系牝馬の入れ替え

ワイルドブラスターさん
今回も読んでくださり、コメントも入れてくださり本当にありがとうございます!

繁殖牝馬更新については、関係者から何か話が出てくることはほぼないため何らかのファクトから推測していくほかないのかなと思っています。
逆に、ケイアイF目線であれば、なぜ対象の繁殖牝馬を購買したのか?をファクトから追っていくとなにかヒントもでてくるのかもですね~。

いずれにしても、いろいろな材料からあーだこーだ考えることができる競馬、一口馬主は面白くて素晴らしいものですよね(^^♪

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プロフィール

ワイン初心者夫婦

Author:ワイン初心者夫婦
埼玉県在住の40代夫婦です。
キャロット(夫名義)2010年世代から開始。
シルク(妻名義)2013年世代から開始。
夫婦で重賞口取りを目指し一口馬主活動をしています。
よろしくお願い致します。

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